3月11日を迎えて思うこれからの避難所のこと

12年前の2011年3月11日、私はモルガン・スタンレーの社員として、恵比寿ガーデンプレイスの37階に勤務していました。ビルが折れるような感覚で大きく揺れたのは、今も忘れることができません。

オフィスでは避難訓練をしていたにも関わらず、いざ本当に大地震が来た時には運用ルールが明確に伝わらず混乱が起こりました。エレベーターが止まり、どうして良いか分からない人たちが、まずは地上にと非常階段で1階まで降りる。そうすると、ロビーに人があふれたため、「外に出るな、会社に戻れ」という指示が出て、また37階に戻っていく……。こうしたことを2度くり返し、ようやく外に出ることを許されたのです。いざという時への備えは、必ず必要です。安全・安心な街にするため、やらなければならないことがまだまだたくさんあります。

その一つがペットと避難できる避難所の整備です。渋谷区内にはペットと一緒に暮らす方が多く、いざという時に一緒に避難したいというニーズが高まっています。渋谷区では、2022年から防災訓練を地区ごとに実施し、地域の特色に応じた内容としています。同年10月に開催された渋谷防災キャラバンin恵比寿地区では、ペット防災に関する情報が積極的に発信されていました。

ペットは飼育している方にとっては家族も同然。しかし、避難所を利用する皆さんが同じというわけではありません。動物が苦手だったり、アレルギーがあったりなど、さまざまな事情を持つ方にも配慮しながら、多くの方が過ごせる避難所の整備、運用を考えていかなければならないと考えています。

TOP 活動一覧を見る
ページの先頭へ